私はカウンセラー先生が嫌いです。
えっ、ちょっと待って!
ミカさんはカウンセラーなのに……
カウンセラーが嫌い?
どういうこと?
と納得できない方もおられるでしょう。
今回の記事は、職業としてのカウンセリングに嫌悪感を抱いているのではなく、特定の色を持った心理カウンセラーが嫌いなの、という内容です。
色のあるカウンセラー
いや~、私カウンセラーが嫌いです。
嫌い嫌いの、大っ嫌い!
「こうすればいいんじゃない?」てなことを口にする、まるで私の答えを知っているかのようなカウンセラー先生よ。
だまってちょうだい。
目標を決めて、いま何%まで来ている?そこに行くために何が必要?というコーチみたいなカウンセラー先生よ。
やめてくれ。
そういうのって、吐き気をもよおすほど嫌いです。目標に達した達しないって、企業の売上云々の話でしょうが。
あ、そうだ。
なんでもポジティブに結びつけようとするカウンセラー先生も嫌い。
頼むから、私が悲しいと言ったら、せめて「あぁ、ミカさんは悲しいんだ……」「で、その悲しさってどんな悲しさなんだろう……」と、私の悲しさといっしょにいてほしいのよ。
「いつまでも悲しんでいても仕方がない」「ネガティブ思考はよくないから、ポジティブに」って、それは余計なお世話なの。
そのときが来たら(いつかわからないけれど)、私は自然とポジティブになれますって。ただ、いまはポジティブどころの気持ちではないの。こちとら悲しさで胸がいっぱいなんで。
う~ん、半年前くらいまでは、波のように心の中が悲しみでいっぱいになることがまれにありましたねぇ……。
そもそも心理カウンセリングって、落ち込むときにしっかりと落ち込み、悩むべきときにしっかりと悩む、クライエントの内面を支えていくものですよね。
そのプロセスが何よりも大事じゃあないですか。
なのに無理やりポジティブにって……マジありえない。
あらまあ、久しぶりに記事を書き始めたら、カウンセラー先生たちへの苦言がお腹の底からグツグツとわき上がってきましたよ。
カウンセラー先生に抱く不信感
そもそも“先生”って、なんだ?
カウンセラーとクライエントは対等ではないの?
”先生”ってクライエントより上にいるみたいで、私は嫌。”先生”という響きは、上下関係を感じる。
”先生”の言うことを聞けば良いのだという感じがして、傲慢さもあるように思う。
カウンセラーやっていて、こんなことを書いちゃうのって私ぐらいなのかな?
なぜ書くのかというと、私自身カウンセリングを受けた経験がたくさんあるから。今もたまに受けていて、クライエントが何に戸惑い、何に呆れ、何に安心していられるかに、とても敏感だからだ。
初めてカウンセリングを受ける方や、今のカウンセラーに不信感を抱いている方の役に立つかもしれないとも思って書いている。
もちろん、私の感じ方がすべてではないのも承知している。世の中のカウンセラー先生たちに対する評価は、人それぞれだろう。あくまでも、この私が個人的に抱いているものなのだ。
カウンセリングの申し込みをして、ドキドキしながら、このカウンセラーなら私のことをわかってくれるかも……、問題が解決するかも……、私の身に起きたいろんなことを知ってもらいたい……。
そんな気持ちを抱くのって自然だよね。
カウンセラー先生たちって、自分がカウンセリング受ける立場になったことあるのかね。
何かにすがりつきたいような気持を抱えて、でもどうしようもなくて、何とかしたいのに、相談したら余計に傷ついた経験ってわかります?
上に挙げたような私が嫌いなタイプのカウンセラー先生の態度で、クライエントは傷つきます。少なくとも、私は傷ついてきました。
あ~、書いていてますます腹が立ってきた。
答えは誰が知っている?
はいはい、カウンセラー先生のあなたは、正しい答えを知っているようですね。でもさぁ、私のことを一番よく知っているのは、私なの。
まだ気づいていないこともあるけれど、自分の感じ方や感覚は、先生よりもわかっていますよ。
世の中にはさ、「それは正しい、いや間違ってる」とか、善悪とか、いろいろな考え方があるけれど、私は道徳の授業に参加したくてカウンセリングを受けているんじゃないんです。
最低限、話を真摯に聴いてほしくて申し込んでいることを、忘れないでほしいの。
クライエントを正そうとするんじゃなくて、わかろうとしてください。
こんなにも、ちまたのカウンセラーに不満があるのは、私が何度も嫌な経験をしたことと、私のカウンセリングルームにおいても、クライエントさんたちから他所のカウンセラーの「え、それってどうなの?」といった態度を聞いて、あきれてしまうからなんですよ。
カウンセラーが「いつまでも悩んでいてもしょうがない」だの、「○○しましょう」といったどこかで聞いたような「ベキ論」やハウツーを口にして、高いカウンセリング料金を取ることに憤りを覚えるからです。
そんなことをして、なにが起こるというのでしょう。
何に向き合っているのか
少なくとも私は、カウンセラーが謙虚にクライエントの話を聴くことを、心の底からクライエントを理解しようとすることを、または(同一化しないように)クライエントの苦しみをまるで自分の身に起きているように想像するのが、カウンセラーの仕事じゃないのかい?と思うわけです。
カウンセリング中に心理学の講義など、こちらから聞きたいと言わない限り必要ない。
心理教育と銘打って、クライエントに心理学の知識を教えてあげようなんて、やめて。
いや、せめて聞きたいですか?と聞いてほしい。知っておくことが大事だと先生が思うのなら、それを提示して、クライエントが聞く・聞かないを選ばせて。
記録を取るのに忙しくて、ノートやパソコンにずっと気を取られるのもやめてほしい。あなたの仕事は、ノートやパソコンに向き合うんじゃなくて、クライエントと向き合うことです。
インナーチャイルドセラピーだか何だか知らないけれど、セラピーのハウツーに沿ってやるなど、もってのほか。
型にはめないとカウンセリングできないの?
目の前にいる私(クライエント)を見て、聴いて、感じて、いっしょにいてほしい。
それだけで、聴いてもらっているという安心感を持てるし、自然と気づくだろうし、話してよかった~と思えるの。
結果として、変容だって起こるでしょう。
本物のカウンセラー
あくまでも私が考える「これは本物だ!!」と思う方も、もちろんいる。
そういう人になりたくて、私はずっとトレーニングを続けている。
その人は30年以上カウンセリングを続けていて、それでも「自分の接し方はクライエントにとってどうなのか?」「カウンセリングは難しい」と、ベテランなのに謙虚さを忘れない。「自分のことを『先生』とは呼ばないように」と口にする。
私なんてまだ、カウンセラーとして7年の経験しかないけれど、目指すカウンセラー像があるのは、とても幸せなことだと思っている。
何よりも謙虚であれ
私の子どもたちが「カウンセリングはちょっと……」と口ごもるのも、カウンセラー先生に独特の好ましくない色があって、その色にクライエントを染めようとするからだと、その顔が語っているように見える。
逆なんですよね、逆。
カウンセラーがクライエントの世界に入らせていただくのが、本来のカウンセリングでしょうが。
カウンセラーで一番大事なのは、謙虚さではないでしょうか。
クライエントの感じること、感覚など、誰ひとりとして同じではないのだから、謙虚に聴かせてもらう。
それが私たちの仕事ですよね、先生?
終わりに
あ~、今回はかなり毒づいちゃった(笑)
しかも、こんなに書いたのに、最後にもうひとつ思い出した。
いい人ぶっている感じのカウンセラー先生も嫌いだ~~~。ウソくさい。
みたいな。
いい人と、いい人ぶるって、別物ですもんね。
わざわざ言葉にしなくても、態度で大切に扱われているかどうかはわかりますから。
ん、まだ出てきた。
分析や解釈、いりません。
いや、しないでね。