こんにちは。心理カウンセラーのミカです。
今回は、コミュニケーションの極意と実践方法をお伝えします。普段は意識していなくても、コミュニケーションは恋愛を大きく左右する重要なやり取りです。
ぜひ基本を覚えて実行してくださいね。恋愛だけでなく、どんな場面においても役に立ちますよ。
コミュニケーションはふたりの関係性があってこそ
ね~お母さん、聞いて!彼と初めてケンカしちゃったよ。
ムスメ
あらら~、なにがあったの?
ミカ
彼が棚を買いたいって言うからさ、一緒にイケアに行ったの。
私はいらないと思ったんだけど、どうしても欲しいっていうから買ったらね・・・
ムスメ
案の定廊下が狭くなって通りにくくなった。
ムスメ
しかもその棚に、足の小指を思いっきりぶつけちゃって、腹が立ったよ。
ムスメ
あ~、それは痛かったねぇ。 それでどうしたの?
ミカ
私だっていろいろ我慢しているのに、なんでこんなもの買ったんだって、彼につっかかっちゃった。
ムスメ
洗濯機がないから、そっちが先じゃん!って。
ムスメ
えっ?洗濯機ないの?
ミカ
ないよ。彼のおばあちゃんに毎回借りてる。
ムスメ
・・・・・・
ミカ
でもね、結局ふたりで話し合って、毎月お金を貯めて買おうねってことになったんだ。
ムスメ
よかったね~。パートナー同士でお互いの欲求を話し合える関係性は、何よりも大事だもの。コミュニケーションの基本中の基本だね! ミカ
コミュニケーションは分かち合い
自分の気持・意見などを相手に伝えること。また、相手の気持ちや意見を聞くこと。
語源はラテン語で「分かち合う」という意味があるそうです。精神的な交流が感じられる言葉でステキですね。まさに恋愛にピッタリな語源です。
分かち合えない関係は、一方通行の道路と同じ。「あなたの方から進入してきたらダメだからね~」と、態度で示しているので、コミュニケーションどころではありません。
コミュニケーションの基本は、言葉のやり取りの前に“相手を受け止め、話し合う関係を続ける意志を持つこと”ですよ。
ちょっと話がそれますが、女性はどうしても恋愛相手にカウンセラー的な要素を求めがちです。
ときにはいいけれど、彼は毎回カウンセラーとして聞いてはくれないんだって思ってくださいね。
そもそも男性は、あなたの話を聞いたとたんに、解決・解決・解決・・・解決!の思考回路になるんです。どこに行ってしまうのかわからない女性の話は苦手なんですよ。
まあ、私からしたら「そうなんだ~」と聞いてくれればいいのにと思うんですけどね。
さてさて、男性脳と女性脳の話はここまでにして、コミュニケーションの核心に入っていきましょう。
コミュニケーションは自分と相手の区別をつける
気持ちや意見を伝えるときは、ほとんどが「自分は~だ」と、自分のことを相手にわかってほしい欲求から始まります。
恋愛においてあなたは、彼にこんなことを伝えるでしょう。
「もっと連絡してほしい」
「もっと会いたい」
「楽しい場所でデートしたい」
ここで大切なことがあります。
“欲求と期待をセットにしないこと”を覚えておいてほしいのです。
欲求は自然とわいてくることなのでOK。
期待も自然な気持ちなのでOKです。
でも、その2つをセットにして相手に向けてしまうと要求になってしまいます。
相手に要求すると、押しつけになりますね。
相手がやってくれなかったことに落胆しますし、怒りもわいてくるでしょう。
欲求は、あなたのもの。
それを受け入れるかどうかは、完全に相手のものということです。
たまたま彼は、今すぐにあなたの願いを聞けないのかもしれないし、特定の場所に行くのは嫌いかもしれません。
あなたが要求すると、彼は負担を感じてしまいます。
人は、自分から進んでやることには楽しさを感じますが、他人から押しつけられると、コントロールされていると感じて逃げだしたくなるものです。
ですから、自分の欲求を伝えたら、あとは相手に任せてみましょう。「お願いね」とリクエストするぐらいの気持ちで接するといいですね。
これがお互いにできている人たちは、例外なくパートナーシップが良好。接しているだけでこちらが温かな気持ちになります。
相手を思いやるコミュニケーション
さて、ここからは実践編。
こんな声かけがシンプルで実行しやすいですよ。
私は~したいの。
あなたは~したいんだね。
あなたは~と思っているんだね。
私は~と思っているよ。
自分と相手を完全に分けていることがわかりますか?
私は私。あなたはあなた。
これは、私がカウンセリングで主に行うゲシュタルト療法の創始者フレデリック・パールズが書いた「ゲシュタルトの祈り」にある一文です。
また、カウンセラーとしての私の在り方であり、私の生き方でもあります。一見冷たいように思えるかもしれませんが、実は相手の存在を尊重する考え方です。
もちろん自分のことも大切にしていますね。「私とあなたは違うけれど、お互いが触れ合えたらステキだね」といった意味合いがある大好きなフレーズです。
いつも彼に合わせるのがデフォルトな人は、なかなか「私は~と思う」と言えないかもしれません。でも「私は」と、思っていることを口にするのは、わがままではないので心配しなくても大丈夫。
私の娘のように強い女性でしたら、彼に対して「それ、違うじゃん!」と言い返したくなるでしょう。これがケンカの始まりになりますから「私は~と思う」と伝えて、あとは相手に渡してくださいね。
また、不安を感じる人は、私をわかってほしいといった気持ちが先走ってしまいがち。「~してほしい」ばかりだと、彼は重さを感じて疲れてしまいます。欲求は、少しだけ控えて聞くに徹するといい関係が保てますよ。
そうそう、もっと簡単な方法もあります。
相手が何かを言ったら「そうなんだ~」と返す言い方です。あなたが同意しているかどうかは、ここで問題ではありません。
彼の言い分に納得できなかったとしても、「あなたはそう思っているんだね」と彼の言いたいことを受け止めるのが最高のコミュニケーションなんですよ。
相手の話を聞いて受け止めるプロのカウンセラーが必ずやっている方法でもあるので、かなりおすすめです。「そうなんだ~」の一言で、彼はきっとこう思うでしょう。
「聞いてもらえた!」
「わかってもらった!」
自分の意見を伝えたいときには、「どう?」をつけるのも効果的です。
「私は~と思うけれど、どう?」
こんな感じで、私は仕事でいつも使っています。語尾に「どう?」をつけることで、相手には選択の余地が生まれますね。これがもっと相手と話したくなる会話の秘訣です。
気持ちがゆれたときには
ところで、こうやってやり取していると、急に悲しくなったりさびしくなったりすることがあります。
そんなときは「悲しくなった」「さびしくなった」と彼に伝えてもいいですよ。あなたの感じることはあなたのもの。自分の気持ちに正直になることはセフルケアのひとつです。
セルフケアは、身体だけでなく心をケアすることも含まれています。大切にしましょう。
悲しくなった気持ちを彼に何とかしてほしいと責任転嫁さえしなければ、きっと彼も「そうなんだね」とわかってくれます。
「こんなふうになったのは、あなたのせいだからね!」といったイライラを、相手の責任として押しつけることだけがマズいのです。
また、もしも怒りを感じたら、ほんの数分だけでもよいので、彼とやり取りするのをやめましょう。
怒りのもとには、きっと悲しみがあります。自分の欲求を相手が満たしてくれなかったことが悲しいのです。
その悲しさを彼に責任を負わせないかたちで伝えられるといいですね。
怒りや悲しみを感じたら、こちらの記事も参考にしてください。ひとりで取り組める癒し方を説明してあります。
最後に。
もしも彼があなたに攻撃をしてきたら、「それは、嫌だ」とハッキリ伝えましょう。
あなたが嫌だと思うことを執拗に繰り返すのはモラハラやDVです。
DVは身体への暴力だけではなく、相手に嫌だと言わせない行為も含まれています。
コミュニケーション以前の問題なので、しっかりと自分の意志を伝えて離れてくださいね。
まとめ
コミュニケーションで大切なことは
*要求しないでお願いすること。
*自分と相手をしっかりと分けること。
そして何よりも
*相手に対する思いやりを持つこと。
思いやりを持ってふたりの関係をコツコツと築いていけば、あなたの恋愛はますます楽しくなるでしょう。
では今回は、ここまで!