最近は、回避依存症の彼との恋愛相談が多いので、この記事では回避依存症の彼に悩んでいる方へ、悩みの本当の原因や対処法をお伝えしていきます。
回避依存症の彼との向き合い方
結論からいうと、注目するのは彼の接近と回避の行動ではなくて、あなたの反応に向き合うことです。
彼が回避依存症でも、回避依存症でなくても、二人の関係において【あなたの反応】こそ、すべての悩みが起こる原因なんですよ。
「彼が回避依存症かもしれません」「どうしたらいいのでしょう?」を正確に言うと…
「回避依存症(かもしれない)彼を、私の思い通りの反応をする人に変えたいです」「私はどうしたらいいのでしょう?」ではないでしょうか?
そこに問題があるのです。
他人を自分の思い通りにすることは不可能なのに、なんとか思い通りにしたいと思う事実に向き合うこと、つまりあなたの反応を知ることで、恋愛は自然と変わっていきます。
回避依存症の男性に惹かれる本当の問題
彼の心が離れていった……と感じたら、そのまま彼に聞いてみたらいいのです。
自分の思ったことを伝えると、彼が離れていきそうだと思う反応があるのでしたら、それがあなたの向き合うべき問題。
彼が回避依存症かどうかは、関係ありません。
彼は回避依存症だとわかった。「それなら仕方がないね」「相手のことが理解できた」と思う。もしくは、回避依存症の彼対策を知りたいと思う自分がいる。
回避依存症かどうかを知りたい気持ちの中には、あなたが安心したり納得したい気持ちがありませんか?
あなたが彼を回避依存症だとラベリングしないと、彼と接することができないとしたら、それがあなたの向き合うべき反応です。
もしかするとあなたは、「いつも彼に振りまわされてばかりいる」と感じているかもしれません。
でも事実は「あなたが彼に振り回されるような反応をしている」のです。
彼が冷たいと感じ、それがイヤなら、自分を冷たくあしらう彼から少しの間だけ離れればいいのです。
「ミカさん、そんなことはできません」と抵抗があるとしたら、それは、あなたが彼と四六時中LINEをしたくなったりSNSの詮索行為をすることで、何らかのメリットがあるからではないでしょうか。
SNSで彼をチェックしても、それは彼の日常の一面。彼が何を思って何をしているかなど、実際に聞いてみないとわからないですよね。妄想がふくらむ行動は、あなたにとって何のメリットもありません。
「ミカさんは、きびしい」と思うかもしれません。
ここまで伝えたこと、実は私が通ってきた道なのです。問題は相手の行動だと思ってきた私が、何十年も知らなかった真実なので、ぜひあなたにも知っておいていただきたいと思って記事にしています。
回避依存症の彼に惹かれる原因
回避依存症の彼に惹かれる裏には、必ずメリットがあるもの。
そのメリットは、自分に足りない心の欠けを埋めるため。つまりあなたは、愛情飢餓の状態です。
育ってきた環境の中で、ありのままでいても愛される状態ではなかったことによる自分を肯定する力のなさが、強烈な愛情表現を求めているのです。それは、恋愛依存症の方の特徴でもあります。
強烈な心の欠けを埋めるものは、強烈な愛情でしか満たされないといったらわかりやすいでしょうか。
強烈な感覚は、まるでジェットコースターがカタカタと空に向かっていくときの感覚に似ています。
これから何が起こるかとスリルで胸がいっぱいになる状態は、愛されるという甘くて強烈な陶酔感と同じ。あなたの欠けをたっぷりと満たしてくれるような感じがするのです。
ところが、強烈な感覚はずっと続きません。
ジェットコースターは急上昇と急降下をくり返しながら、必ず終わりのときがきます。
すると、こんなことが起こります。
もう終わっちゃった。もう一度、もう一度。
今のあなたは、何度もジェットコースターに乗りたがる状態に似ていませんか?
くり返せばくり返すほど強烈な感覚は麻痺していくので、もっともっととあなたは強烈な感覚(愛情)を求め、回避依存症の彼はしだいに疲れを覚えます。
恋愛初期は依存してくるあなたの面倒をみることが、彼にとっては喜びでもあったはず。それは、彼が育ってきた環境で無意識にやっていた(心理面で)親の面倒をみる状態と似ていたからです。
彼が親の問題を解決していたように、恋愛ではあなたの保護者となりながら、あなたの問題を解決してあげるといった慣れ親しんだ感覚があったのです。
ところが子供時代の彼は、親の問題を解決できるはずがありませんね。頑張っても頑張っても報われない徒労感は、あなたの愛情を満たしても満たしても報われないやりきれなさとまったく同じです。
あなたの強烈な愛情飢餓を満たすことに疲れ、居心地の悪さを感じ始めると、あなたから離れたくなるのです。
どうですか?彼が回避依存症かと探る前に、あなた自身の愛情に飢えた状態を自分で満たすことが大事だと理解していただけたでしょうか。
回避依存症の彼に惹かれる苦しさから抜け出す方法
回避依存症の彼との恋愛改善方法1
多くの場合、親子関係で起こった出来事から心の動きがわかります。
過去の出来事を振り返りながら、ていねいに細かく探っていくと「そういえば…、この感覚はいつも自分の中にあった」と気づきが起こります。
この「そういえば…」は、とても大事。
今まで気づかなかった無意識な心の動きが「そういえば…」につながっています。
ちなみに、クライアントがカウンセラーに対して向ける感情にも「言葉で表現できない心の動き」が表れることがあります。心理用語で投影と言いますが、自分の中にあるものを他人に映し出しているのです。
カウンセリングで投影が起こったら、私はチャンスだと思っています。そのモヤモヤしたクライアントの感覚をカウンセラーに対して表現することで、実際の対人関係に変化が起こります。
カウンセリングは人と人が向き合って話したり聴いたりするプロセスなので、究極のコミュニケーションなんですね。
回避依存症の彼との恋愛改善2
ステップ1で見つけたくり返される無意識な心の動きには、怒りや悲しみが必ずあります。
それをしっかりと吐き出す作業をしていくのがステップ2。
「こうすればいいんじゃない?」「いつまでもそんなことを言っていたらダメ」というようなアドバイスをしない人に聞いてもらうのがいいでしょう。
アドバイスをされると、頭で理解にとどまってしまい、結局悲しみや怒りを感じきるところまでいかないのです。すると行き場を失った感情は、いつまでもさまよってしまい、今までとなにも変わりません。
この感情を味わいきる心の作業が大きなポイントとなるのですが、多くの方はできるだけ簡単に、しかも自分の都合のいいようにとらえたいので(人間なので自然なことですが)、頭の理解ですむような言葉を探して、前向きな気持ちになるものです。
まぁ、ほとんどの場合、長くは続きません。
頭の理解で進んでいくことは、あなたの心の中にある大切な気持ちを無視することになるので、自分を丸ごと否定する状態と同じだからです。
ただし、ステップ2の注意点がひとつあります。
悲しみが自分の手に負えないと思う方は、絶対に一人でやらないでくださいね。自分の心に、感情をじっくりと味わってもいいかどうかを聞いてみましょう。
回避依存症の彼との恋愛改善3
ステップ2で自分の中にある感情をありのまま受け止め、そのまま出し切ることは、「自分はこんなふうに感じてもいいんだ」といった自己肯定感につながるとても大切なプロセス。
それができたら、行動に移していきましょう。
私を主語にして「私はどうなりたいか」「私は何をしたいか」でもいいですし、まだ相手をコントロールしたくなる反応が起こるようでしたら、その気持ちと友達になりながら行動にしていきましょう。
行動の基本は相手に伝えること。自分の思いや感情を「相手に責任を負わせずに」伝えてみましょうね。
まとめ
好きな相手が自分の思い通りにならないと、人はレッテルを張りたくなるものです。
カテゴリーにはめると、まるで回答を得たような気持になるから安心するのでしょうね。
でも、相手はずっとそのまま。つまり、あなたが彼を回避依存症だと理解してもしなくても、彼そのものはまったく変わらず「彼のまま」です。
仮に彼が回避依存症ならば、あなたに接近したり回避したりをくり返していると思います。
そんな彼に対して、あなたが感じることを伝え、お互いがどうなりたいかを伝えられたら、きっとふたりの関係は変わっていきます。
彼を変えることなどできませんが、自分の反応を変えることはできますよ。
恋愛は、あなた自身の問題。
あなたの無意識な反応から起こるふたりの関係が問題なんです。
誰にもあるように、きっとあなたは、彼ともっと親密な関係になりたいと思うでしょう。
あなたが彼にかける言葉、あなたが彼にとる行動の結果、彼が自然と変わっていきますよ。
彼をコントロールせずに、どう接していくかあなたの反応に焦点をあて、3年後、5年後、10年後になっても今と同じ悩みが起こらないように、ステップ1~3をやってみてくださいね。